千夜が視線の先で、ミットを捕まえた。 千夜はそのまま勢いをつけて、思い切り球を投げた。 パシッ!と、ミットにおさまる球の音。 その音がマウンドに響いた瞬間、千夜は無邪気な子供のように笑みを浮かべた。 静けさが、消えていく。いろんな音が、耳に入っていく。 観客の声、選手の息遣い、私の鼓動。全てが、世界に色を添えているようだった。 「すごい...」 無意識に、隣に座っている梨花ちゃんが千夜を見ながらそう呟いた。