「ーーあからさまな虐めってわけじゃないけど、ちょっとした嫌がらせ...みたいな」

「ごめんな」

え?なんで千夜が謝るの?
私の過去をすべて話し終え、私はブランコの揺れを止めた。

「そんな辛い思いしてたなんて、知らなかった。助けられなくてごめん」

どこまでも真っ直ぐで、いい奴。
千夜が謝ることないのに。

「ううん、私が弱かったのがいけないの」

あの時もっと強く伝えていれば。あの時もっと稲森さんとぶつかっていれば。
そんな“もしも”ばかりが、脳裏をよぎる。