千夜の言葉が、私の心を抱きしめる。 私のそばにいてくれるの?千夜。 「俺には好きなやつがいるんだ。だから、稲森とは付き合えない。 何もしてない荻原を責めるのは、もうやめろよ」 怖いという気持ちは、まだ消えていない。心の中にまだある。 だけどもう、独りではないから。 だからちゃんと、前を向ける。 弱虫も臆病も、今日で卒業。立ち向かえる勇気を、千夜はくれたんだ。 「.....っ」 稲森さんは顔を歪ませ、居づらいように俯いた。そして、何も言わずにこの場から走り去った。