夜の空、少しずつ少しずつ...雲が流れてきていた。灰色の、嫌な予感を抱きしめながらやってきた雲。 私はそのことに気づかないまま、千夜の隣を唇を噛みしめながら、静かに歩いていた。 「じゃあ、また明日な」 「送ってくれてありがとう。またね」 私の家の前に着いた。もう着いたんだ...。早いな。 私が手を振ると、千夜は手を振り返しながら背を向けた。 えっ...?さっき歩いた道を、また歩き出す千夜の後ろ姿。 千夜の家、こっちじゃないの?