「大丈夫だって。お前も早く来いよ」
「.....う、うん」

中学に行こうと誘ったのは私だ。
ここで私が拒否したらダメだ。

私は小さく深呼吸をして、フェンスに足をかけた。


上へ上へ。空に近づいていく。


だんだん高くなるにつれ、さっきまでの心配も薄くなっていく。

なんかスパイみたい。私がフフッと笑みをこぼしたことに、千夜は気づいていない。

そして、すぐに私も学校に進入できた。

私たちは靴を脱ぎ、プールサイドを歩く。プールサイドは、なんだかひんやりと冷たく感じた。