オレは、そんなロキを見て、ゴクリッと生唾を飲み込んだ。

怖い!!

初めて、オレは、『恐怖』というものを感じていた。

すると、ロキが目を閉じると、パァーッと『身体』が光った。

その『光』の眩しさに、オレは思わず目を閉じた。

「!?」

次の瞬間、オレが目を少しずつ開けると、そこには、燃えるように鮮やかな紅い髪に銀色の瞳になった『デーモン・ヴァンパイア』のロキがいた。

「ロキなのか?」

オレがそう聞くと、

「当たり前だろう。」

答えは即答。

オレは、目の前にいるロキの圧倒的なパワーを感じ取っていた。

す‥‥スゴい。

何て、パワーだ。

オレなんかじゃ、まったく敵わない。

どっ、どうしよう‥‥‥‥。

オレが焦った表情をしたのを、見て、悟ったロキは、

「今、『女』になっとけば?そのほうが『後悔』しないと思うぜ!?」

そう言い放つ。

この『力の差』じゃ、仕方ない。

オレは、とうとう『観念』した。

「分かった。『女』になるよ。」

シュンッ!!

オレは、『女』の『姿』になった。

この『姿』を『見せた』のは、親以外では、ロキが『初めて』じゃないだろうか?

生まれてこの方、『男』として育てられたオレは、『女』の『姿』を見られたという羞恥のあまり、頬を赤らめた。

ロキには、一体、今の『オレの姿』は、どう映っているのだろうか?

すると、ロキは、ニンマリと妖艶な笑みを浮かべ、

「綺麗で、しかも、色っぽいな。」

艶っぽい声で、そう言った。

これが、『オレ』と『デーモン・ヴァンパイア』である『ロキ』との『運命の出逢い』だった。