「ヘタクソ!!もう下がってよ。」

ヴァンパイアの女は、いそいそと去って行く。

まったく、ヴァンパイアの『女』って、ヘタクソな奴らばかりなんだから。

オレは、ベッドに横になった。

青い髪と瞳の超美少年は、ふと考えた。

久しぶりに、『人間界』に行ってみようか?

『人間界』には、『テクニシャン』の『女』たちがたくさんいるって、噂に聞いた。

オレは、思い立ち、『人間界』に行くことにした。

だけど、探したが、オレの『好みの女』は、なかなか見つからなかった。

オレがウロウロとしていた、その時だった。

「危ない!!」

急に男の声がして、オレは腕を引っ張られた。

「なっ、何だよ!?」

オレは、びっくりして、憤慨した。

すると、男のほうも、

「お前、信号機が赤になってるのに、横断歩道でウロウロしてるとか、有り得ないだろう?」

そう怒ってきた。

そして、オレは、その男をよく見た。

黒髪に黒い瞳。

超美形の『男』だった。

オレは、ジィ~ッとその男を見ていた。

『男』かぁ。

残念だなぁ。

『女』だったら、よかったのに。

オレはそう思っていた。

すると、その男は何を思ったのか、オレの手を引き、どこかへ向かい始めた。

「おい、どこへ連れてく気だ?」

オレがそう言うと、

「俺んち。」

しごくあっさりと、その男はそう言った。

「はっ!?なっ、何で、オレがお前の家に行かなきゃいけないんだよ!?離せよ!!」

オレは、その男から手を離そうとするが、離せない。

何て力だ。

この『オレ』が手を振りほどけないなんて。

オレは、少し『イヤな予感』がした。

こいつ、もしかして‥‥‥‥。

「お前、もしかして、『ゴッドハンター』か!?それとも、『デーモン・ヴァンパイア』か!?」

オレがそう言うと、その男は口の端でニッと笑い、

「フフフッ。どっちだと思う?」

意味深にそう言って、意地悪な笑みを浮かべた。

『ゴッドハンター』か『デーモン・ヴァンパイア』だと!?

冗談じゃない!!

そんなのと関わり合うのはゴメンだ。

もし、こいつが『ゴッドハンター』のほうだったら、オレは間違いなく、消されてしまう。

『ゴッドハンター』とは、『オレたち』、『ヴァンパイア』一族を『狩る』一族のことである。

そして、『デーモン・ヴァンパイア』とは、『ヴァンパイア』と『ゴッドハンター』との間に生まれた者のことだ。

厄介な奴に捕まってしまった。

オレは心底、後悔していた。

せめて、こいつが『ゴッドハンター』じゃないことを祈るばかりだ。

『人間界』なんかに来るんじゃなかった。

そうすれば、こいつとも会わなくてすんだのに‥‥‥‥。

でも、時既に遅し。

オレは、『その男』の手に捕まってしまった。

後は、こいつに、『あの事』がバレないようにしなきゃならない。

オレはそう思いを巡らしていた。