「惚れた……? 誰に…………」 「お前に。」 「誰がですか………?」 「俺が」 「嘘………… そんなの……っ絶対…………」 「そう思われると思って、 本音を言うことが出来なかった。 だから、嫌な俺を演じた。 お前のことを思えば思うほど、 自分に素直になれなくなる。 親父の話は本当だ。 俺は結婚しなきゃ、社長は栞の旦那になっていた。 ただ、そうなってもよかった。 俺は這い上がる。 何度でも這い上がって、功績をあげる。だから、結婚なんて意味ないと思ってた」