練習終わり、
音無君が話しかけてくれた。
「どうでした?俺」
「凄く動きがしなやかだった。
きっと、もっと上手くなると思う」
「俺中学は剣道部だったんです」
「そっか」
「でも、高校は勉強に専念しようと思って。
でも、やっぱり剣道も気になって、
たまに道場に来てたんです。
そしたら、先輩が自主練してるの見て。
そのときは、ただ凄いなっておもっただけだったんですけど。
でも、噂で常に学力が全国的にドップだって聞いて。
あー、この人は俺が諦めた半分を諦めずに努力する人なんだって思ったら…
先輩のこと、頭から消せなくなって、
好きになっちゃいました」
こんなにあたしのことを思ってくれたのか…………
「ごめん音無君、あたしは…」
「まだ結論出さないでください。
もっと俺のことを知ってください。
もっと俺のことを見てください。
それから、返事がほしいです」

