「おやすみなさい…!!」 全力で忘れよう。 あんな最低男のことなんて。 「もしもし、おじいちゃん?」 『ん?莉加か』 「うん。ごめんね、夜遅くに」 『いいよ。どうかしたかな?』 「おじいちゃんの声が聞きたくなった。 また剣道の相手をしてほしいな」 『そうだね。私も足腰が弱ってきているし、いい運動になるね』 「うん」 『黛さんとは、上手くいってるのか?』 「……うん。上手くいってるよ。 心配しないで、おじいちゃん」 『よかった。お互い助け合って生きていくんだぞ』