近くの公園でブランコに乗って、 おじいちゃんが背中を押してくれた。 『さて、そろそろ帰ろうか。莉加?』 『うん。 ねえおじいちゃん。今、おうちから誰か真っ黒な服のおじちゃん出てきたよ』 『え?』 『誰だろうね。誕生日プレゼント持ってきてくれたのかな』 『なんだろうね。』 家の正面に来て、はじめて異変に気づいて。 玄関の扉が開けっぱなしだった。 『ねえねえおじいちゃん。開けっぱなしだよ』 『おかしいね… 誠一!陽子さん?』 おじいちゃんが家の中でパパとママの名前を叫んだ。