「…何をやってる。お前の家はもうここじゃない」 黛さんだった。 「お風呂くらい、いいじゃないですか」 「…外は暗い。今から家に帰るには危険だ」 「大丈夫です。剣道3段てすから。空手も黒帯です」 「それでも一応女性だ。 そして、俺には妻を守るという夫の義務がある」 淡々と喋るこの感じが…嫌だ。 あくまで、表面上での妻を守る表面上での夫。 常に無表情。 「今すぐ支度します。 ごめんおじいちゃん、帰るね」 「ああ、うん、 黛さん、莉加をよろしくお願いします」 「ええ、もちろん」