「さつき、強かったよ」 「ありがとう。でも具合悪い莉加に勝っても嬉しくないからね。 関東大会でも勝負できるといいね!」 「うん……」 表彰式のあと、 あたしだけ先に帰った。 薬を切らしたから、 あとは黙って寝てよう…。 「莉加っ」 会場の外。 入口のところに、黛さんが立っていた。 「帰るぞ」 「来てたんですか………?」 「さっき。 お前が負けたときに」 「あたしの練習不足です。」