「お母さん、俺がやります。」
「あら、ありがとう。」
――夕飯が終わると玲君はお母さんの代わりに皿洗い。
玲君…
なんであんな良い子に…!?
「それ終わったら玲君、お風呂入って来ていいわよ。」
「ありがとうございます。」
玲君は爽やか笑顔。
お母さんにこにこ。
騙されてる…
完全に…。
……う……
どうしよう。
敵だらけ!?
あー…
最悪です。
「玲君のバカ…」
もう最低……。
―――……
「あ、雪乃!タオル…玲君に持ってってあげて。」
「はいはーい…。」
玲君がお風呂に行くとお母さんが言う。
私は玲君にタオル持って行く。
玲君、もうお風呂入ったよね?
だけど
〈ガチャ〉
「玲君、タオル…」
――パサッ。
私はタオルを落とす。
だって中には上半身裸の玲君が。
「や、やだぁ…」
私は慌てて目を逸らす。
さ、最悪だよぉ……。
すると
………!?
玲君はいきなり私を後ろから抱きしめた。
……え!?
「れ、玲君?」
「雪乃動揺しすぎ。」
「……う……」
だ、だってぇ…
い、いきなり……
……ってか
今心臓やばいよ。
玲君に後ろから抱きしめられてるんだから。
「雪乃?」
「は、離して…」
「は?」
心臓はバクバク。
「玲君、お願い…」
私が言うと玲君は離れる。
よかった。
だけど
「次はこんなんじゃ済まないかも。」
玲君は私の耳元で囁く。
………!?
「い、嫌ーっ!!」
私はそう言うと自分の部屋に逃げた。
れ、玲君のバカーッ。


