野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)

有田さんには全然つながらなかった。

ようやく、2日後の夜にホテルに電話が掛かってきた。


「ごめん…そく…なっちゃった」

「もしもし!?」

「…って来れないの?一人…対応するのも…つい」


ああ~!電波わりぃぃぃぃ!


「有田さん!オレ、カノジョいるんですよ!こんなのマズイっす!」

「ど…みち…婚式の相談がある…いつ…帰って…の?」

「電波のいーとこ移動してください!」

「ワ…六本…いいところ紹介されて…」

「え?え?」


とつぜん、電波が良くなった。


「もちろん一人で勝手に決める気はないよ?でもユートくんが帰ってこないと、私一人で決めちゃうんだからな~」

「な、なんすか?」

「私、考えたの。まずその六本木の会場で、お互いのビジネス上の人たち?だけを呼んでお披露目して、ユートくんのお友達の方は、後日別で?やったらいいんじゃないかな~って」


なに…?

なに言ってんの、この人…?


「オレ…オレ結婚しないっすよ?」


電話の向こうが静かになった。


「オレ、カノジョいますから」