青白い顔をして横たわる優斗を見たときには、

さすがに言葉を失った。


まさか。


しかない。


まさか、こんなことが自分に起こるなんて。



麻酔から覚めたとたん、間髪いれずに優斗は聞いた。

「ブレイクは?」


すぐには言葉がでない。


「駄目だった」


ちょっと間があった。

「ケイは?」

「まだ…見つかってない」



現実と思えない。




ナースコールを押した。

「はーい?」

「目が覚めたみたいで」

「あ、すぐに先生呼びますねー」


優斗が体を起こそうとした。

痛さに顔をしかめる。


「まだムリだ。寝てろ」

「今日、何日?」

「15」

「赤ちゃんは?」

「父さんたちは病院。連絡してくる」


先生たちと入れ違いに病室を出た。



それは、言えない。


いくらなんでも、

いくら僕でも。