野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)

「いいね。その顔」

額を合わせた。


「優斗が志望校変えて驚いた?俺が奨めたんだよ。三根木の方が出席率ユルイって」

「な…なんで…」

「サギ女に行けば、読モになってサーファーと撮影する機会が多くなると思った?」


花純が目を見開いた。


「アイツはプロになるよ。そんなチャチな雑誌に出るわけないじゃないか」


浅はかで、にわかにキレイになった花純を見下ろした。


「クリスマスに、キレイになった自分を見てもらえて大満足?」


手に取るように、考えていることが丸見えで、

自分が一番可愛いと思っているくせに、わざと卑下して注目を引こうとする。


「俺と付き合えば、安全な場所から優斗を見てられると思った?最初から、他とじゃ勝負にならないから?」


花純が体を起こそうとした。



「泣いて、騒げば?」

「やっ…!やめ!!…優斗!」

自分で言ってから、ハッとした顔で僕を見た。


馬鹿だなぁ。


「もっと呼べよ。ますます興奮する」

「許して…ごめんなさい…ごめんなさい…」

「謝れよ、一晩中」


本気になんてなったことない。

なったことない。


なってたまるか。


花純の目が潤む。



「可愛い…花純はその愚かさが可愛いんだよ…」