野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)

クリスマスイブが来た。

家があっという間に人で埋まった。


「総史、そっちのお皿出して。優斗、これ水切りして」

母さんがテキパキと指示を出す。


「穂積!八雲!そんなことやってたら、サンタさん来ないわよっ!」


穂積が軽い曲をピアノ演奏して、

八雲がテキトーなリフティングを披露し、

騒がしく、和やかにパーティーは進んでいった。


モデル連中は、ほとんどがコスプレ。

花純はフワフワしたものが付いた服を着て、二の腕を出していた。

黄色いニット素材がカラダのラインを際立たせてる。


パーティーの間中、手伝いに呼ばれないかぎり、花純を見つめ続けた。


本当にキレイになった。


自分の見せ方が分かるようになったっていうか。


チョコレートも大分減ってきたころ、花純を呼び出した。

「来て。プレゼント」

「う、うん」


花純はリビングを振り返った。


「早く」

「うん」


素直に僕の後をついてくる。


「あそこ暑いんだね」

「暖房、弱にしてあるみたいだけどね」