戻ってこない。



マジで戻ってこない。



少なくともオレのとこに戻ってくるはずない。




茜は…泣いてた。




ー優斗は、ただ怒鳴って、茜ちゃんの話も聞かないで、暴力をふるって…ー



そんな男のところに、戻るわけない。



「あかね…」



あのドカンとくる激しさに、やられた。


オレにでも分かるコトバ使いが、うれしかった。


オレの家族にも気に入られて、それが自慢だった。


見せたくないのに、見せてくれた。

欲しがったら、それを全部オレにくれた。


それは、みんな茜の優しさで、


オレはそれを愛してた。



茜の優しいところが好きだった。




それが、もう戻ってこない。




色が落っこちていく。



もう

戻ってこない。