「やめろよ」




ゆめに見つめられてることに耐えられなくて、手で軽く振り払う。




「真面目に聞いて~。一緒に帰れるんだよ?後、恋愛運もアップするの」




「わかったって、やってみるから…。お前って、おまじないだけじゃなかったんだな。占いまでやってるんだ?」




「最近始めたの。カードで占うんだよ。カズマと西内さんの相性が、あんまり良くなくて…おまじないは得意だけど、占いは全然当たらないみたい」




自信無さげにヘヘッと笑ってるけど、その占い当たってるから。





片方に、他の人を想う暗示って…それも当たってる。




怖いぐらいに…。




「頑張ってね、カズマ」




「サンキュ。俺、もう帰るから。あとは桃ちゃんと話してろよな」




ふたりを残して部屋を出る。




ゆめに自信をつけるためにも、今日は西内と帰るか…。




俺にはおまじないは必要ないけど…こんどあれをゆめにしたら、叶うのか?




教室に戻りながら、俺はそんなくだらないことばかりを考えていた。