【完】恋のおまじないNo.1

「ま…まぁ、そんなとこ」




意味わかんねー、なんで俺も合わせてる?




「あたしに任せて!とっておきのがあるよ」




おまじないの本をパラパラと必死でめくっている。




「宇佐美さん、さっきの先輩…おまじないを聞きに来たの?」




桃ちゃんがゆめの手元を覗き込みながら、そっと隣に座る。




「そうなの。紫藤くんが紹介してくれたんだ~。いい人だよね」




「そうだったんだ!紫藤くんって優しいね。今日廊下ですれ違ったとき、目が合って笑いかけられたの。気のせいかもしれないけど…」




「やったー!おまじないの効果だよ。ちゃんとできた?」




「うん。さいくっさいくっさいく、プー!だよね。すれ違うとき、小声で言えたよ」




「ぶっ、どんなおまじないだよ!!」




思わず突っ込まずにはいられない。




だけどウケてるのは俺ひとりだけで、残るふたりはいたって真剣。




「昨日の夜に見た夢なの。新作だよ?」




「ゆめちゃんって、すごーい」