【完】恋のおまじないNo.1

「先輩、さようなら~。部活と勉強を両立できるおまじないも、やってくださいね」




んなこと教えたんだ?




呆れていると、2年の先輩は笑いながらゆめに手を振っている。




「わっ」




廊下を覗き込み過ぎた桃ちゃんが、俺の脚につまづいて廊下に飛び出た。




おいっ。




支えると同時に、俺らの姿はゆめにバレバレ。




「桃ちゃんとカズマ!?どうしたの」




「あのねっ、新しいおまじないを聞きにきたの。桜庭くんは、西内さんと一緒に帰れるおまじないを聞きに来たんだよね」




…は?




咄嗟に思いついたにしても、かなり強引。




桃ちゃん、なんで俺まで巻き込む?




俺はおまじないなんて、信じるつもりもない。