【完】恋のおまじないNo.1

「とりあえず、勇気わいた。今は桜庭と付き合ってるけど、西内を諦めないでいる」



…まさか、そーいう相談?



ハァ、自分が絡んでるとは思わなかった。



そのうち桃ちゃんがやって来たから、簡単に説明しておいた。



ガタッ。



教室の中から誰かが出てくる気配がして、俺と桃ちゃんは急いで階段の陰に隠れた。



「おまじないなんて信じてなかったけど、面白いな。さっきの全部当たればいいのに」



「相思相愛度が低いとしても、ふたりは付き合ってるので…邪魔するとか、そういうのはやめてくださいね」



「わかってる。しばらくは、ふたりが別れるまで待つよ」



「はいっ。頑張って下さいね」



教室から出てきたのは、校内でもガラが悪くて評判のサッカー部の2年だ。



ゆめ、なに手なずけちゃってるんだよ。