【完】恋のおまじないNo.1

空き教室に着くと、部屋の中からゆめの声が聞こえてきた。



「先輩っ、やめて」



ん!?



思わずドアをこじ開けそうになって躊躇した。



「触らないで。おまじないの効果が薄れるの」



危ねー…、いきなり入ってゆめに嫌われるところだった。



おまじない…ね。



あのビラ配って、それに食いついた先輩が真面目にカウンセリングでも受けにきた?



それとも、桃ちゃんのいうように、単にゆめに近づくために…。



「結果が出ました!相思相愛度は…ええーっ!?」



自分で占って驚くなよ。



「どうした、やっぱ俺のつけいる隙もない?」



部屋の中から男の声がする。



…紫藤じゃないのはわかったけど、声だけでは俺の知ってるヤツかどうかもよくわからない。