【完】恋のおまじないNo.1

校舎裏で強面の先輩たちに取り囲まれる。



「お前かー、桜庭カズマの幼なじみって」



どうしていきなりカズマの話なの?



キョトンとしていると、先輩のうちのひとりがあたしに詰め寄ってくる。



「西内が桜庭と別れるように、手伝ってくれるんだって?よろしく頼むよ」



「ええっ?部活と勉強の両立のおまじないが必要…なんですよね?」



「は?」



先輩は口をぽかんと開けている。



そこで紫藤くんが駆け寄ってきた。



「ごめんな、騙すみたいに連れてきて。本当はさ、西内とカズマを別れさせて欲しい」



えー…。



「そんなの聞いてないよ。おまじないが必要だっていうから来たのに」



「じゃあさ、先輩と西内がうまくいく恋のおまじない、頼むよ。それならいい?」



紫藤くんは顔の前で手を合わせ、お願いポーズをする。