【完】恋のおまじないNo.1

大人しい桃ちゃんが頑張っているから、口を挟んでいいものか迷う。



「思うのは、自由だろうけど」



「…あたし、帰るね」



桃ちゃんは走って帰ってしまった。



「どうしてあんなこと言うの!?超いい子なんだよ、それなのに。カズマのばか!」



詰め寄るけど、相変わらず平然としている。



「バカはどっちだよ。あの子と紫藤が合うって本気で思ってる?」



「合うとか、そんなの関係ない。好きなんだもん、いいじゃない」



「はーっ。紫藤に付き合おうかって言われたの忘れた?アイツは、あーいうヤツなの」



わっ…忘れてた、そういえば言われたかも…。



「紫藤くん、ノリで言ったんじゃないかな」



「そーだよ、ノリで言えんの。ちょっといいなって、思えばな。そのこと、なんて説明すんの」



「それは…」