【完】恋のおまじないNo.1

「桜庭くんも、ありがとう。冷たい人かなって、少し苦手だったんだけど…思ったより話しやすかった」



ぷっ。



桃ちゃんに言われてる~。



それでも今だって無愛想なのに、桃ちゃんって優しいなぁ。



「だからって、俺のこと好きになんなよな。メーワクだから」



「うわっ、なんてこと言うの?桃ちゃんごめんね、カズマのばか~」



カズマの背後に回り、ポカポカと背中を叩く。



「だってさ。笑顔で挨拶しただけで好意持つんだろ。優しくしたら、好きになる?そーいうの、紫藤だって迷惑だと思うよ」



ひっ…ひどい。



「カズマ!!」



「そうだよね…でも、思うだけでもダメかなぁ。それも、紫藤くんは迷惑なのかなぁ」



今にも泣きそうな顔で、桃ちゃんがカズマに訴える。



あたしがカズマに言おうとしたことを、桃ちゃんが自分で伝えている。