【完】恋のおまじないNo.1

それを桃ちゃんに教えたあと、3人で帰ることになった。



「紫藤って、そんないいか?」



カズマが桃ちゃんに怪訝な顔で問いかけてる。



「うん。優しそうだよね」



「優しそう…ハハ、そんなんで好きになるんだ?」



呆れてるよー、こらこら桃ちゃんが傷つくから。



「一目惚れだよね?そういうの、あるある」



ないけど、なんとなくありそう。



「え、あんのか?ゆめ…」



あたしを見て、カズマが顔を歪ませてる。



恋もしたことないって、バカにされてるからね。



一目惚れの事実があったなんて、信じられないってこと?



「ないけど…」



「あー、びびった」



そんなに驚く?



「ふたり、学校で話してるの見たことない。普通に色々話すんだぁ」



桃ちゃんが不思議そうにあたしたちを眺めている。