sideカズマ



待ってよう、なんて提案をしたけどさ。



今更、後悔…。



こんなに広い教室に俺とふたりっきりなのに、しゃがむ距離が近過ぎる。



おい、ゆめ。



自覚あんのか?



顔、すげぇ近いんだよ!!



「桃ちゃん、いつ来るかな。ドキドキっ」



さっきから、やたらと心臓がうるさい。



そんな、ドキドキなんてかわいいもんじゃない。



じっとしてればいいのに、いつも無駄に動きが多い。



顔を左右に振り、その度になんかいー匂いがする。



やば…。



軽く俯き、ため息ひとつ。



俺の動揺、コイツに気付かれませんよーに…。