「ほら、帰っぞ」




「はーい…へくしゅっ!」




時は、11月下旬。




肌寒いを通り越し、本格的な寒さがやってきた。




校舎を出た頃、小さくくしゃみをすると。




自分の首に巻いていたマフラーを、カズマがあたしの首にぐるぐると巻き付けた。




「えーっ、いいよ」




「風邪ひかれっと、俺が困んだわ。看病させられるの、目に見えてる」




ウチの両親は共働きで、いつも帰りが遅い。




普段は元気だけど、たまに高熱でダウンすることがあるあたし。