「あたしっ、今日はおまじないをするために、ここに来たの。それに、紫藤くんとは付き合えないよ」



「おまじない?そんなのやってるやつ、まだいるんだ?」



フッと鼻で笑われてしまう。



「紫藤くんも、おまじないが必要だったら、いつでも言ってね?結構、効果あるんだよ?」



「ふーん…だったら、俺の足が早く治るように…いや、神頼みでなんとかなるなら、ケガなんてしないか」



「そんなことないよ、あたし紫藤くんの足が早く治るように、おまじないするね」



「それはありがとな。期待しないで待ってる」



うっ…全然、信じてないや。



「ゆめ、帰んぞ」



ひゃあっ。



カズマにマフラーの端を引っ張られ、乱暴に廊下へ連れていかれる。



「そんな風に引っ張らないで~」



「もうすぐ、桃が来るんじゃねーの?バッティングすんぞ」



そ、そうだった!



桃ちゃんが、来ちゃうよ~!