【完】恋のおまじないNo.1

逃げ出したい。



だけどだめだ。



これまで散々逃げてきたから、今日だけは…頑張る。



「ゆめは俺のこと、なんとも思ってないだろ。そんなの…知ってるし、絶対叶いっこないってわかってる。だからこそ、おまじないの力を借りたい」



こういうの、ずるいのか?



おまじないを教える立場のゆめからしたら、叶えなきゃいけないっていうプレッシャーがある?



それでも、それさえも…利用したいって思う俺は、ずるいよな。



パニックになってるのか、やっぱり言葉を発することもなくただ立ち尽くしている。



「こんなこと言ったからって、俺のこと避けるなよ…」



ゆめに限ってそういうのはないだろうけど、一応念押ししておきたい。