【完】恋のおまじないNo.1

「それでも、紫藤くんは友達になろうって言ったんだよね?そこから進展する可能性はなくない?」



「ええ~、ないよ。自信ないし…。それで、告白してもう諦めようって思えたんだ。頑張って好きですって伝えたよ」



諦めたって言うのに、桃ちゃんは涙ぐんでいる。



きっと後悔ばっかりだよね?



「偉い!桃ちゃんすごいよ。勇気いっぱい必要だったよね。あたしはこのまま友達でいるのも、いいと思うな。女の子たちのことは気にしないでいいよ」



「無理だよ…昨日言ってきたのもあたしの苦手なタイプの女子だし、陰で悪く言われるの嫌だから…」



5組のどの子なのかな。



カズマのクラスだし、なにか一言言ってもらう?



ううん、そんなことしたら波風たてちゃうし、桃ちゃんが一番嫌う方法だよね。



「そういうこと、気にするのわかるけど…。紫藤くんがいいなら良くないかな。友達だもん、堂々としてればいいんだよ?」



「無理だよ…あたし、ヒビりだから。ヒソヒソ話とか、見てるだけで傷つくし…」



「そうかもしれないけど、きっと大したこと話してないよ」



なんとかして、桃ちゃんの気持ちを前向きにしたいけど難しい。