【完】恋のおまじないNo.1

「この数ヶ月で、紫藤くんとの距離がすごく縮まった。前は見てるだけだったのに」



「うん」



「遠足のときに、もう関わらないでみたいに言われてすごくショックだった…」



「そうだよね…」



あれは、カズマが紫藤くんに余計なことを言ったからだよ。



桃ちゃんのせいじゃないのに。



「好きなことさえ迷惑なのかなって思ってるとき、5組の女子に呼び出されて…」



「えっ!?そんなことがあったの?」



「うん。昨日のお昼休み…遠足であたしと紫藤くんが話してたのを誰かが見てたらしくって。大人しいくせに生意気とか、色々言われちゃった…」



ひどい!



そんなこと言う人がいるの!?



「5組の誰?あたしが文句言いに行くよ!!」



こんなに優しい桃ちゃんをいじめるなんて許せない。



それでも興奮しているのはあたしだけで、目の前の桃ちゃんはいたって冷静だ。