「きゃ~!カズマ、見て見て!できたよ~」 さっきできあがったばかりのビラを、幼なじみの桜庭カズマの目の前でチラつかせる。 「んだよ。残ってやりたかったのって…こんなことか。くっだらね」 夕方は暗くなるのが早いからって、そう言い出したのはカズマの方。 誰もいなくなった放課後の教室で、あたしのことを待ってくれてたんだけど…。 優しいんだか、冷たいんだかよくわからない。 10年以上一緒にいても未だ理解不能で、掴みどころのない性格をしてる。