【完】恋のおまじないNo.1

「そうなんだ…あたし、邪魔だよね。行くね」




突然立ち上がろうとして、よろけてる。




思わず受け止めると、抱きしめるような形になってしまった。




「悪い」




「うっ、ううん!?あたしこそ!桜庭くんに迷惑かけまくりだよね…本当にごめんなさい」




ペコペコと謝る姿が、なんだか滑稽で思わず笑ってしまった。




「ぶっ」




「え?」




意外そうに顔を上げると、涙の筋のついた顔が目に飛び込んでくる。




「忙しいやつだな」




「桜庭くんが…笑ってる」




は?




そこが意外だった?




桃ちゃんが目を見張っている。




「俺だって、普通に笑うけど。どういう意味だよ」




「だって…いつもクールで、近寄り難いし…そんな顔、することもあるんだね」




「あっそぉ」




もしかして俺、すげぇ印象悪い?




思わず苦笑していると、また更に驚いている。