「とりあえず、ここに座って?恋のおまじないについて、今から説明するね」




「うっ、うん…」




緊張ぎみに桃ちゃんがあたしと向かい合わせに座る。




そしてハートの形のメモ帳を差し出した。




「桃ちゃんの好きな人を、ここに書いて欲しいの」




「ええっ!?」




さすがに、驚くよね。




だけどこれが、あたしのやり方なの。




「ここで今すぐ好きな人のこと話すのは恥ずかしいと思うから、後で見させてもらうね。秘密は厳守します」




「そっ…そんなぁ。名前は言わなくていいって聞いたのに…」




困り果てた表情で、辺りを見回している。