【完】恋のおまじないNo.1

「あたしに謝ること、あるよね?ばかカズマ!勝手なことしないでよ」



眠ってるのかもだけど、起きて欲しいから無理やり訴える。



「ひどいよ…おまじないの力を信じて、ずっと頑張ってたのに。全部台無しだよ」



カズマが紫藤くんを動かしたんだとしたら、桃ちゃんの努力が全てムダになってしまったことになる。



「カズマ!起きて!」



ゆさゆさと揺らすと、カズマがゆっくりと目を開いた。



「…んだよ、疲れて寝てんのに。起こすな、ばか」



「ばかって言わないで」



「最初に言ったの、お前だろ」



ってことは、ずっと起きてたんだ?



「寝たふりとか、最低。あたしがこのまま帰るの待ってた?」



「お前、しつけーもん。強引に起こされるとは思ってた」



ゆっくりと起き上がり、ベッドに座っている。



唇を尖らせているあたしを見たあと、鬱陶しそうな顔のまま俯いた。