【完】恋のおまじないNo.1

「依頼者のヒミツは厳守なの」




またそれか。




「可能か不可能かだけ教えてやるから、相手が誰か言えよ」




「そっ…それはっ。絶対に言えないの!!今回は特に、ね」




もったいぶってさ。




けど、今回は特にってところがひっかかる。




「同じ学年のやつ?それとも他の学校の…」




「きゃ~、だめだめ。言えないの。本当に手ごわくって…おまじないが全然効かない。依頼者の子にも申し訳なくって」




「別にゆめがそんな風に思う必要ねーじゃん。おまじないなんて、最初から効果ねーんだから」




あっさりそう言ったら、思いっきりにらまれた。




「そんなことないの!その子は、本当に好きなんだよ。一生懸命おまじないをしてるの。もう一ヵ月以上だよ?こんなに効き目がないのも初めてなんだから。うー、自信失くすよ」




だからさ、最初っからおまじないの効果なんて存在してないっつの。




いい加減、わかれよ。




これ以上言うと追い打ちをかけてしまいそうだから、ぐっと言葉を飲みこんだ。