「紫藤の反応は?」




そこが一番気になる。




モテ男だし、チャラいし、適当にあしらってるはず。




「絆創膏で治るようなケガじゃないしって、笑われたって」




だよなぁ。




「けど、気持ちがすごく嬉しかったんだって。その後に連絡先を教えてもらえるおまじないをしたら、願いが叶って、今はたまにメッセージのやり取りをする仲だって言ってるよ」




「へぇ」




すげぇ、マジで進展してる。




あの大人しそうな子が、紫藤に連絡先を交換したいってちゃんと言えたんだ?




それはすごいな。




「これも全部おまじないのおかげだって。桃ちゃん、喜んでくれてるの~」




「ふーん。よかったじゃん、おまじないが絶好調で」




紫藤は連絡先を交換するのなんて慣れてるし、そういうこともあるよな。




「それが、そうでもないんだよねぇ…。全然効かない友達もいるんだ…どうしてだろう」




「今度の依頼はどんなやつ?先生と付き合いたいとか、そーいうの絶対ムリだから断れよ」




おまじないなんて、ただの気休め。




絶対に動かない事実があるってことを、ゆめは気づいてない。