あ、わかった。



あたしと噂されるのが迷惑ってことなのか。



そうだよね…カズマはモテるし。



「それでも。言うやついるから」



「気にし過ぎだよ。あたしの友達は、中学のときもなにも言ってなかったよ?」



「そか。俺が気にし過ぎなんだ」



「そうそう」



納得してくれたかと思ったら、大きくため息をついている。



あれっ…全然だめ?



「ゆめは、周りを見なさすぎ。陰口とか、言われてても気づかないタイプだよな」



陰口?



「目の前でコソコソ話してる人がいると、ちょっと嫌なときもあったよ。それって、あたしとカズマのことを言ってたの?」



クラスの同じグループじゃない子が、ナイショ話のあとあたしを見てバカにしたように笑うことはあった。



だけど直接言われて責られるわけじゃないから、あんまり気にしないようにしてたんだけどな。



「…へぇ、気づいてたんだ?」



「それでカズマはあたしから離れたの?別に…いいのに。あたしは、学校でもカズマと話せる方が嬉しいな」



「そーもいかねぇじゃん…」



カズマは、やっぱり優しいよね。



あたしのことまで、気遣ってくれるなんて。