【完】恋のおまじないNo.1

ココアをいれているカズマを、じっと見つめる。



凛ちゃんの、想いが届きますように…。



手でハートを作り、その穴にカズマを閉じ込める。



「おいっ、変な呪いかけるなよ」



ばっ、バレてる!



「なんでもないよ~、カズマってカッコいいなぁって」



「思ってもないこと言うなよな。そのぐらい、わかるし。で、今度は誰に頼まれた?」



「誰って…それは、言えないよ。依頼者の秘密は厳守なの」



凛ちゃんのことを、話すわけにはいかない。



「ふーん。俺は誰とも付き合う気ないから。断っとけ」



「そんな!断れるわけないよ。せっかく依頼されたのに…」



「はい、ココア。熱いからな」



わかってる~。



大きめの赤い無地のカップから、湯気がたちのぼっている。



子供じゃないんだから、湯気やカップを持っただけでそのぐらいわかるのに。



「熱っ!!」