【完】恋のおまじないNo.1

「わかった…」



そしたら、先輩や凛ちゃんにもチャンスが訪れるってことだよね。



西内さんには申し訳ないけど、もしかしたら他のふたりの願いは叶うかもしれない。



「で?なんでここで俺を待ってたんだよ」



「待ってたっていうか…家にひとりでいるのも寂しいし。カズマと話そうかなって」



「ふーん。俺は話すことないけどな」



ひどっ。



カズマは立ち上がると、あたしに背を向けた。



もしかして部屋に戻っちゃう?



もっと話したいから寂しいって思ってると、カズマがソファの方を指さす。



「しょーがねぇから、大好きなココアいれてやるよ。そこ座ってろ」



「わぁっ、いいの!?」



「気まぐれだけどな」



「ありがとう、ココア大好きなんだ~」



カズマは、いつもあたしの大好きを把握してくれている。



ソファには、いつの間にかあたしのお気に入りのブランケットが置かれていた。



さっきは気づかなかったけど、寝ているあたしにカズマが掛けてくれたのかな?



さり気ない気遣いが、嬉しい。