鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

「立花さん、こないだ頂いたチーズケーキ!
持ち帰りで頂きたいのですけれど、あります?」

「ありがとうございます、ありますよ、おいくつでしょう?」

美空のお母さんは、にこりと微笑んだ。
美空と似た笑顔だ。
やっぱり笑った時の顔が、よく似ているなぁ。

「あるならよかったぁ!
そうそ、そうだわ、本来の目的を忘れるところでした。
危なかった!

家族全員、立花さんのチーズケーキがすっかり好きになってしまって、それで買いに来たんでした。
ですが初めて来るもので、道に迷っちゃって。
彼女のおかげで来ることができて、良かったです。

ワンホール。お願いします」