鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

「もうあんた、瀬田君とこの嫁に行ったの?!」

ああ、2学期の文化祭を思い出す。
ウエディング衣装に身を包んだ二人が告白したりイチャイチャしたりでお大騒ぎだった。
まさか、現実に……?
いやでもまだ16だし……。
美空はギリギリオッケーでも、瀬田君が無理だ。

きょとんとする美空は、違うよ、何言ってるの? と不思議そうにこちらを見た。
目の前の瀬田さん親子は、わたしのセリフに大笑いだ。


「わたし達がねぇ、お願いしてそう呼んでもらってるのよ!
美空ちゃん、可愛いじゃない?
もう娘みたいな気持ちでねぇ」

「優斗の嫁!
そしたら美空ちゃん、マジで俺の妹!
いいじゃん、最高!」