鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

「あら、ありがとう!
行ってみたくて学校帰りに来てみたんだけど、よくわからなくて」

女性は、ニコニコと嬉しそうに、わたしの提案を受け入れた。
どうやら二人は親子で、同じ学校の制服の男子は、1つ上の先輩らしい。
親同伴の進路相談で、とか、そんな話をしていた。
そっか、2年生は今日、三者面談だったのか。

「大変ですねぇ」

なんて相槌をうちながら、喫茶空色についた。

「わぁ、ここなの! いい雰囲気だわねぇ」

女性が、嬉しそうに手を叩き、扉を開けた。

「いらっしゃいませ~!」

美空が元気にお客を迎える声が聞こえる。