鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

「瀬田、もしかして、あたしと一緒に旅行、行きたくないの……?」

「いや、そんなこと、ない、けど……」

「だってさっきから、嬉しくなさそうだもん……。
嫌なら良いんだよ? ありさ誘うし」

しょんぼりした彼女の頭を撫でる。
そして、暫く母さんこないだろ、と見越して抱きしめる。

「美空、大事だからこそ、言うけど。
俺、二人で旅行なんて、ドキドキし過ぎて……」

正直戸惑ってる。
そう告げれば。

「うん。あたしも!」

と、笑顔で返事をされた。
こいつ……。
まぁ、いいか。