鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

「瀬田の家族って、皆明るくていい人たちだね?」

ふふふ、と美空は再度ソファに腰掛けながら、笑っている。
う~ん、そうなのか……?

宿題が終わって、荷物をカバンにしまったあと。
あ、そうだ、と不意に美空が言った。

「瀬田のお母さんのお手伝いを、しよう」

「え? いいよ、そんなことしなくて!」

「だって、宿題終わったし、さっきから良くしてくれてるし、お夕食いただくんだし。
あ、心配しないで? お母さんの店の手伝いしてるから、お料理できるよ?」

少しでもお手伝いしないとね、と笑うけど。
お前、何で全く緊張しないで初めてのキッチンまで入り込めるの?
しかも彼氏の家だよ?