「瀬田、それはダメだろう。
忘れまくるべきだって、何だよ」

「委員長、もっと言ってやれ。
この溺愛男に」

「ああ、こんなときに鈴木さんがいてくれたら……」

男子たちは瀬田君を囲んで、また騒ぎ出した。
皆、口ではなんだかんだと言いながらも、笑っている。

いつもの教室、いつもの光景。
わたしはもう、以前の恋の相手の溺愛ぶりを見ていても傷つかない。
わたしは微笑ましくその光景を眺めていた。