鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

「ただいま~」

「あ、お帰りなさ~い」

また一人、邪魔者が増えた……。
がっくりと肩を落とす俺の横で、美空は世界史の宿題の問題に、頭を捻っていた。

「お、本当に立花がいる!」

リビングに入ってきた兄貴が、驚いた顔でジロジロと美空を見つめた。
そんな目で見るな、バカ。

「……?
えと、こんにちは、あ、もうこんばんは?
お邪魔しています!」

ぱっと立ち上がって、兄貴に頭を下げる美空。
いいって、そのバカに丁寧な挨拶は。